2021年02月24日

60年代青春文学の軌跡

こんにちは。3s代表の橘です。
ゲリラ的に降った豪雪もなんとか収まりはじめ、コロナも小康状態に向かいつつあります
が、皆様いかがお過ごしでしょうか?
何かが始まりそうな、いやまだ始まらないような、次の勃興期に向けひたすら雌伏してい
るようなそんな時期でもあります。
特に各企業は決算に向かい目標売上・利益達成または未達成など来期に向けても色々と
構想を練り議論も尽きないでしょう。

そういう端境期に私は昔懐かしい3冊の小説を文庫で読みました。
1959年発表の大江健三郎『われらの時代』、1964年発表、柴田 翔『されど われらが
日々ー』、そして1969年発表の庄司 薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』です。いずれも
当時の青春文学のベストセラーで60年代70年代安保闘争などとも時代も重なり、重くも
軽くも当時の世相を反映しています。
3人の作者とも東京大学で学んだインテリで3人3様の文体で物語に引き込み、独特の虚無
感を感じさせます。

人生とは何だろう?時代の流れに翻弄され、頭で考えたようには現実は進まず、苛立ちは
募るばかりー
いつの時も若い人(学生)は悩み、生き、時には死に、まるでそれに無感覚・無自覚で
ある人間ほどだらだらと生きていけるー悲しいくらい冷徹な青春の実相が残酷に語ら
れるかと思えば、ちょっとおどけたモラトリアム・ユーモアが微笑ましくもある。

これはある意味現代の企業文化にも通底するトーンであり、経営政策が手詰まりになり、
のんきな人でも哀しい人でも皆自分の無力感・不完全感を感じ、達成感を味わうこと
なく年を重ねる。

このような状況にコロナが追い撃ちをかけ今後日本企業・社会はどうなるのだろう?
社会保障もそうですが、皆が幸福になるためにその中でも特に若い人の、理屈ではなく
感性からなんらかの素敵な社会システムが生まれ出来てこないだろうか?

60年代青春文学を読みながらそんなことを想ってしまった次第です。
counter: | posted by 3s at 09:34 | TrackBack(0) | 青い熊の心情
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