こんばんは、寒い中お互いにお疲れ様です。
3S代表の「橘」です。
年の瀬も押し詰り、何とかかんとか新しい年に押し流されていきそうですが、それにつけても今年は色々なことがありました。
悲しい事、大変な事、びっくりした事など、自他共々、世の中動いてるなぁー。「万物流転」をビリビリ実感します。
そんな中、つきあいで購入する、X’masケーキやワインを実家に持ち帰り、お茶の間で家族や従兄弟と共に口にすると、何とも忘れ得ぬ連想へ心が翔び、あれは何年前、プチバブルともいう様相を呈していた当時の情感、未だ小さき若輩の「私」が想い起されます。
新橋や銀座の街角で、所在無げに彷徨、立ち止まっていた私――自分が何者でも無く、どこへ向かっているのか、それすらもわからず、ただ目に入り、耳に入る光景・響き。「ウチの○○」とか「getaway!」だとか――。
皆が冷たく孤独な大都会ならではの独特の空気感を楽しみながらも、妙に生あたたかい人間関係や別れを自分や他人に感じている――。
考え事をしようと一人ふと入った喫茶店や酒房で、つい口にしてしまうお菓子――そんなまぬけな自分。――日経新聞を広げ顔を埋める、隣席のサラリーマン、異性の話と同一にMoneyや投資の話をワイワイ話している中年の女性達・・・・。
人って本当に、その時の社会状況・経済状況でパーッと華やいで見えたり、クーッと沈んで見えたり――自分も含めて、だけど面白い。
「ティラミス」だっけ?食べ物がどうとか、飯を喰うならどことか。一人暮らしをして、そんなことを少しは気にする年齢になってから、「イタメシ」とかと共に現れた記号だ。だけど、その頃はあいにく口にする機会が無かった。――そんなシロモノがそれから10年後(第2バブル、プチバブル、ITバブルって思うような時代)にMy胃袋を満たすことになろうとは――。
それも自身(ひとり)や男女(ふたり)や、あんな情況、こんな状況で・・・・。
香港映画にも「ティラミス」という映画があるそうだけど、昔の日本だったら、さしずめ、マンガ日本昔話に出てくるおじいさんの情感たっぷりの「あんころもちが食いたい・・・」――人の心ってそんな(お菓子な)所にもあるんだろうし、そこで気が抜ける――とか、腹立たしい、とか思ってみてもしょうがない。
上下とか内外とか、寒色・暖色とか、人って(特に女性は)感じる(思う)みたいだけれども、或る女(ヒト)の唇が動き 「ti-ra-mi-su・・・」その一言が湿った空気中に放たれた その―刹那、店内のザワついた話し声が潮を引く様にsilentになり、――「what?」――、頭の中にカリフラワーの様な、マンガの吹き出しの様な白い塊が浮かび、気のせいか、その空間と自分が一体化した様な甘い匂いと感覚に襲われて――・・・・・。
あれから又10年が経ちましたが、この厳冬の大不況下に又、ティラミスをたべてみようか?
それも外で、独りで。
いったいどんな味がするのだろう。
甘い味覚に私の心は何と答えるのだろう?
「what’s tira-mi-su?」
あの時返せなかった問いの答えが自ら解るかもしれない。